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【感想】 大帝国


「俺達大人の仕事は、子供達に幸せな未来を作ってやることだ。この戦い…絶対に勝つぞ」


  ――――『大帝国』は大変なものを盗んでいきました。私たちのゴールデンウィークです。――――

感想を書く前に言っておくッ!おれは連休中に『大帝国』の全エンディングを体験した。い…いや…体験したというよりは、まったく理解を超えていたのだが……あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!「おれは連休の始まりと共に『大帝国』をプレイ開始して、ようやくクリア完了したと思ったらいつのまにか連休も終わっていた」。な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…キング・クリムゾンだとかメイド・イン・ヘブンだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。

時間泥棒として定評のある『大帝国』に貴重な連休ポイントを全消費させられましたが、その甲斐もあって全エンディングを制覇できたので後悔なんて、あるわけない(泣き笑い)。一周クリアに丸一日を必要とするため、周回プレイを開始するたびにその日の何もかもを諦めなければならず、こんなの絶対おかしいよ状態。どう見ても自業自得です。本当にありがとうございました。ああ、分かってた。最初から分かってたことだろう…?

そんな『大帝国』。ネット上では期待に沿わなかったと残念な声が目立つけれど、少なくとも自分は先日紹介した前作『大番長』から劇的な進化は遂げなかったものの、同程度には作りこまれており、すなわち従来レベルの楽しめるゲームとしての水準は満たしていたと評価する。巷で指摘されているように、惜しかった部分が多い作品なので、「ここは○○すべきだった」という点に重点を置いて感想を綴りたい。

余談。発売前から「オープニングアニメーションから漂うテイルズ臭が異常」「Tales of Empire(苦笑)」などと各所でネタにされてましたが、本当に絵コンテ・演出・作画監督がテイルズの松竹徳幸さんだったでござるの真希ちゃん。スタッフロール見て吹いた。何やってんすか。いいぞもっとやれ。


【シナリオ】 B+
そんなものはない。

嘘です。あります。前作『大番長』程度には用意されてます。こんな感じです。

統一宇宙暦ゼロ年。
ワープゲートを利用し、星域間を瞬時に移動するワープ航法が発見された。
ワープゲートが徐々に見つかり、世界が繋がってゆく。
大航海時代の幕が開け、様々な国家が産声をあげ、あるいは滅んでいった。

それから数百年。
星域ネットワーク図は現在の形に近づき、
人類は限られたこの世界を奪い合ってゆく。

エイリス帝国は世界の半分を支配下においた。
しかし百年と待たず、独立戦争が勃発。ガメリカ共和国が誕生する。

革命、独立、侵略。戦火は世界のどこかで灯り続ける。
やがて各国は同盟を組み、連合を作り……初の世界大戦を迎える。
多くの犠牲を払った激動は富を生み、それを得た者をさらに貪欲にさせた。

だが日本で現在の帝が即位した頃、大恐慌が発生。
世界を蝕む不景気は各地で政権への不満を高めてゆく。

革命が人類統合組織ソビエトを新たな凍土の主とし、
天才総統がドクツを敗戦からよみがえらせた。

統一宇宙暦939年現在、三つの大国が戦争を求め、開戦を目論んでいる。

エイリスではその鎮圧プランを議決。
世界を巻き込む大きな戦果が再び宇宙に灯ろうとしている。
日本帝国もまた、その潮流から逃れられはしないだろう。

第二次宇宙大戦、開戦―――
                              大帝国 宇宙史より抜粋


オオサカが舞台の『大悪司』、日本全土が舞台の『大番長』とくれば、『大帝国』の舞台は全世界――
―――と見せかけて、まさかの宇宙。モデルは世界各国ですが舞台は宇宙。その発想はなかった。
過去作と比較すると、スケールが無駄に格好良く壮大になっております。ビューティフォー。
しかし、あくまでゲーム性がメインの作品なので、本編内のシナリオはお察し下さい。

基本的にガメリカ、エイリス、ソビエトら三大国との戦争に勝利し、世界統一するとエンディングになります。
あるいは、ドクツ・イタリンと三国同盟を結び、劣勢にあるドクツを救済すると三大国が滅びる展開に進みます。

以上。

まさかの以上。まさかの二パターン。序盤の世界日本化の選択肢はシナリオ展開には無影響。
ガメリカ√、エイリス√、ソビエト√なんて存在しなかったんや。ドクツ√だけで我慢してね!(半泣き)
ネット上の批判の大半は、ルートが極端に少ないことに尽きるのではなかろうか。俺らの治安が緊張。
まあ、大番長も二パターンの実質一本道だったので予定調和といえば予想通り。想定の範囲内だった。

エンディングは全九種。その内、一種はある条件を満たしてクリアした後に開始できる外伝のエンド。
いわゆる陵辱サイドと呼ばれるもので、ハードでリョナ展開なため誰得との声が多数。俺得だよ(最低)。

また、本編内でありとあらゆるフラグを立てて、ようやく突入できるのが真エンド。
全エンディングを制覇するまでは、意地でも攻略サイトを見ないという縛りプレイを敢行したため、
世界統一後に真エンドのイベントが発生したときの喜びは異常でありました。ほぼイキかけました。
真エンドにふさわしい某グレンラガン的な展開で、まさに大好物。むしろ帝ちゃん風に言うと超好物。
ラスボス戦のBGMはお約束のアレ。バルドシリーズといい、やっぱ最終決戦はアレだよな、うん。

ふむん。ストーリーに関しては、やはりガメリカ√、エイリス√、ソビエト√がなかったのが痛い。
あとはキャロルとスカーレットさんのイベントをだな……もう少しだな……いや、何も言うまい。


【キャラクター】 A+
相変わらず、多すぎて何を書けばいいのか分からないレベル。エロが多いのは素晴らしいよな。
仕方ないので、主人公である東郷さんと、ヒロイン(笑)だった方々+αに限定して述べたいと思う。

・ 東郷毅(日本帝国)
本編主人公。非リア充がドン引きする程の高スペックで、イワシが苦手なこと以外は非の打ち所が無いパーフェクト超人。いわゆるイケメンであり、味方どころか敵の女性にすらモテモテ。しかも自他共に認める女たらしで、呼吸をするかのように女性を口説く。口説かれた女性は必ず絶頂する(実話)。無数のガールフレンドによる東郷シンパは一種の宗教と化していると言っても過言ではない。真希ちゃんという6歳の娘(かわいい)がいながら余所の女の場所に寝泊まりするのは親としてどうなのか、と思わないでもないが、おそらく東郷家の主な食事係であるアッキーに世話を頼んでいるのだろう。どちらにせよアウト人間ではあるが、自分は嫌いではない。欲を言えば、もうちょい等身大な東郷さんが見れるイベントがあれば嬉しかった。

・ 帝(日本帝国)
発売前は誰しもにメインヒロイン当確と思わせておきながら、結局は大多数のガールフレンドの一人という席に収まってしまった帝ちゃん。発表当時は名前と立ち位置から清廉で格式高い大和撫子な現人神かと期待されつつも、蓋を開けてみれば普通のノリがいい女子高生でした。頭も股も緩いと言ってやるでない。東郷さんの前ではすべての女性がビッチ化するという世界なのだから、別に帝ちゃんが悪いわけではない。頭が緩いことは否定しません。バイブ欲しさに55億人を見殺しにしたことは許してやるべきだと思います――(賢者の面持ちで)。

・ レーティア・アドルフ(ドクツ第三帝国)
ドクツが誇るアイドル総統閣下。唯一ドクツルートが用意されていることから、ヒロイン(笑)しかいない本作の中では破格の待遇であると言えよう。男に騙されたり、中古アイドル呼ばわりされたりと散々な扱いだが、見せ場がない他ヒロインよりはマシだと思うんだボカァ。早い時期で仲間にでき、指揮値が高いことからも大変お世話になりました。

・ イーグル・ダグラス(ガメリカ共和国)
東郷さんと双璧をなす主人公候補かと思ったが、別にそんなことはなかったぜ。CORE出現パターンでは存在消失するため(おそらく死亡?)、他キャラに比べて仲間にする機会が少ない。しかも仲間にしても出番は特にないという不遇っぷり。対ガメリカ戦の序盤における彼が一番輝いていたよ――。

・ キャロル・キリング(ガメリカ共和国)
ヒロイン(笑)にすらなれなかった東郷さんの義妹。どうしてこうなった。
ツンデレ、金髪ツインテール、そして義妹という強ポジションを得ておきながら……。
しかも姉関連のイベントが皆無なのはさすがにフォローできない。キャロルは犠牲になったのだ…。

・ セーラ・ブリテン(エイリス帝国)
エイリス帝国の若き女王様。ワープゲート事故イベントが発生したときは、すわ個別ルート突入かと期待しましたが、やはりヒロイン(笑)を脱却することは叶いませんでした。しかもイベントフェイズに関しても、回想シーン一枚目を取る条件が非常に難しい(というか気付かない)というオマケ付き。また、戦力的にも彼女より母親のほうが圧倒的に強いというエイリスの悲劇。セーラも犠牲になったのだ…。

・ カテーリン(人類統合組織ソビエト)
冷静沈着、頭脳明晰な無口系少女かと思ったら、ただのクソガキでワロタ。
ヒロイン(笑)の中では、唯一東郷さんに抱かれなかった子でもある。
「気をつけ!礼!休むな!」は評価したい。特に理由はない。

・ キングコア(CORE)
陵辱サイドである外伝の主人公。この手の悪役は嫌いじゃない。もっと本編で出番があれば…。
どうでもいいが、容姿も口調が鋼の錬金術師のホムンクルス・グリードに見えてしまう不思議。

・ 大怪獣の皆さん
真エンドに関連する皆さん。人類の力が及ばない超怪獣とか大好物なので実に良い。
惜しむらくは、本編での重要な出番がまるでなかったこと。登場するだけして特に見せ場はない。

書いていて思ったが、どのキャラも「出番がない」ことが不満であることに気付く。
ゲーム性メインなのは分かるが、せめてもうちょい見せ場を増やしてあげてほしいなのよ?


【システム】 A
さすがアリスソフトの作品だけあって、全体的にシステムは水準以上。普通に面白い。
しかし、あるべきものがなかったりと、広く浅く不満点も多いことが鼻につく。以下箇条書き。

・大悪司、大番長、鬼畜王ランス、戦国ランスにあった地域イベントがない(論外)
・大悪司、大番長、鬼畜王ランス、戦国ランスにあったキャラクリがない(論外)
・イベントフェイズの多さの割に、一ターンに選択できる回数が一回固定と少ない(せめて二回に)
・HPが1でも減っていると侵攻に参加できない(せめて損害軽微なら参加可能に)
・提督移動他が面倒(ショートカットとして、Shiftキー以外にホイールクリックが欲しい)
・クリア特典が微妙(キャラクリがあれば提督の能力値上昇など見込めた)
・侵攻時に退却できない(せめて斥候スキルが欲しかった)

他多数。ここに挙げたものが最低限パッチで追加されると、とっても嬉しいなって。
そして前述の通り、ルートが少ないことも加わってネット上では不満の声が多い印象。
ううむ、元が素晴らしいだけに非常に惜しい。なぜ地域イベントとキャラクリを削除した…。


【総評】 A
以前、『大帝国』は絶賛すると言ったな。あれは嘘だ。

冒頭で書いたように、別に面白くなかったわけではなく、プレイ中は時間を忘れて楽しめたことからも、ゲームとしての水準は満たしていたことは確かであるが、やはり前評判からの期待という名のエベレスト級ハードル(高ぇ!)の前に敗れ去った感が否めない。前作から改良された部分も多いが(信頼度の廃止など)、上で述べたように改悪された部分が嫌に目立つので、手放しで賞賛することがし難い印象。何よりシナリオ面での手抜き(と言われても仕方ない)が痛い。個別ルートを用意して、各キャラが活躍できる見せ場を増やしておくだけでも大分評価が変わっただろうに……真エンドが王道展開で悪くなかった分、非常に惜しい。

不満点はさておき、『大悪司』や『大番長』に比べて特別劣っているわけではないので、地域イベント、キャラクリなどの要素がないことを許容でき、前作までが好きな方ならオススメ。また、壮絶な時間泥棒であるので、現実に支障をきたさない程度にプレイすることを推奨します。

総プレイ時間は100時間。地域制圧型SLGとしては充分に楽しめました。
シナリオ面に関してはランス・クエストに期待。裏切ってくれるなよ、アリスソフト――!
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生後二年から様々なゲームを節操無くプレイし続け、どこに出しても恥ずかしいゲーマーとなった社会人。救いようのないエロゲマイスターだと近所の奥様方の間では評判。

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